おおきにです、Hikkyです!!
今年最初の衝動買い・・って毎回衝動買いばかり&もうすでに初春になってますが・・。
これは去年末のお話です。
いつもよくお世話になっている、アークオアシスさんで在庫処分の破格の「カスタム74」を発見しました!
なんと、全品1000円になっているではありませんか!!
カスタム74はパイロットを代表する万年筆で、金ペンの王道であり、プラチナ・センチュリー3776やセーラー・プロフィットシリーズと並ぶ、「1本持っていれば間違いない」国産メーカー万年筆の雄です。
1本一万円以上する、そんなモデルがこの価格である・・これは買うしかありません!!
注)パイロット製品は、2024年1月より一部値上げされました。
詳しくはHPをご参照ください。
何を買ったか??
今回、私が手にしたのは「SF(ソフトファイン・軟細字)」「FA(フォルカン)」の2種類です。
どちらも現代では珍しい、「柔らかい」ペン先が売りです。
現代では、ボールペンが主流で、昔ほど万年筆がメジャーではないため、筆圧の強い書き方が多いことからそれに合わせて万年筆のペン先も少しかたくなってきていました。
それはそれで書きやすいのは間違いないのですが、昔ながらの柔らかい、「万年筆らしさ」を求める方に向けて、「柔らかめ」で「しなる」ペン先が用意されています。
それが今回の「S(ソフト)」シリーズになります。
FA(フォルカン)はもっと特殊で、毛筆のようにしなる、極端に柔らかいペン先が特徴のものになります。
こちらはパイロット・オリジナルで、「エラボー」という名前で発売されている、特殊なモデルと同様、「柔らかさ」を売りにしたモデルです。
https://www.pilot.co.jp/products/pen/fountain/fountain/elabo/
↑パイロットさんHP、エラボー
その柔らかくしなるペン先を使って、「止め」「はね」「払い」をしっかり書くことができ、日本語の持つ美しさを堪能できるものになっています。
今まで、これを手にすることは有りませんでしたので、とても楽しみにしていたモデルでもあります。
以前から持っている、もう一つのカスタム74とその感想に関しては、過去の記事をご覧ください。
カスタムシリーズについてのおさらい
ここで簡単にパイロットを代表する万年筆、カスタムシリーズを復習しておきます。
カスタムシリーズはスタンダードな74、少し大柄で使いやすく高級感もある742、さらに大きく所有感を満たしてくれる743の3種類がメインになります。
スタンダードの他、四角いボディでレトロ感を出すヘリテイジシリーズなどの兄弟分もいますが、一般的にはこの3つになります。
すべてで14K(金含有率58.5%)のペン先を採用しており、一般的に「金ペン」と呼ばれます。
以下に、簡単に特徴を上げておきます。
カスタム74
スタンダードモデルで、5号ニブ(ペン先の大きさ)の金ペンです。
ボディも太すぎず、長すぎず、重すぎず、14金ペン先ながらも比較的固めなので、ボールペンなどに使い慣れた初心者の方が持つ始めての金ペン万年筆として、とてもおすすめです。
ペン先の種類も11種類もあり、万年筆の醍醐味を十二分に味わえます。
カスタム742
中間に位置するモデルで、10号ニブ採用の金ペンです。
74よりもボディの大きさ・ニブ共にひとまわり大きくなり、柔らかくしなやかな本格的な万年筆の書き心地を堪能できます。
ペン先の種類はなんど15種類もあり、書き癖や使用用途、好みに合わせてチョイスできます。
シンプルながら装飾も美しく、金属部分も含め耐久性にも優れており、日本ブランドならではのお値段以上!の万年筆といえますね。
カスタム743
カスタム74シリーズの最上級モデルです。
15号の大きな14金ペン先は、弾力性があるしなやかで滑らかな書き心地は、マニアや書くことを仕事にするプロからも一目おかれている逸品です。
安定した日本品質で個体差も少なく、一生モノして持つなら、間違いない!
万年筆としてのバランスだけでなく、ぱっと見でも大きく、存在感のある万年筆です。
シリーズ全体の特徴
カスタムシリーズに限らず、パイロットの万年筆はそうなのですが、なんていってもその書き味インクフローがすばらしいです!
インク漏れを防ぎながらもインクフローの良い独自の機構を持つペン芯は、万年筆にありがちな書き出しのカスレがなく、ストレスレスです。
他には、いろんな書き味が選べるペン先の種類がとにかく豊富です。
F(細字)、M(中字)、B(太字)などの基本的なペン先に加え、ソフト調のやわらかいSF(軟細字) SFM(軟中字)のほか、毛筆のようなしなる書き心地のFA(フォルカン)など、日本語を書くことを考えたカスタムシリーズならではのバリエーションの豊富さです。
さらには、細部までこだわった日本ブランドならではの品質も挙げられます。
使うほどに味が出るアクリル樹脂のボディは重厚なブラックになっています。
金のクリップと合わせて高級感も半端なく、書き味の決め手になるペンポイントまでもパイロット独自に作っているため、細部にまで徹底したこだわりと品質管理で、日本ブランドならではの安定感と信頼感を持って安心して使えるのがメリットになります。
まぁ基本的にブラック一色なので、「おもしろみがない」と言われたらそれまでですけどね・・。
ソフトとフォルカン
先述の通り、時代の変化と共に万年筆も変わってきており、現在では比較的固めの、しっかりしたペン先を持つモデルが多くなっています。
もちろんパイロット・カスタムシリーズもスタンダードなモデルは例にもれずかっちりした書き味なのですが、このソフトは昔の万年筆のようにしなやかにしなります。
そのおかげで、実際に書いてみても、とても柔らかく、万年筆らしさを堪能できます。
力を少し入れると先が開いて線が太くなる他、力をいれないでもスラスラ書けたりと書く楽しさ満点です。
もちろん他の万年筆でも先をしならせて太い字や細い字をかき分けることはできるのですが、ソフトのそれは少し抜き出ています。
これがフォルカンになるとその特徴はもっと大きくなり、少ししなり過ぎでは?と思うほど柔らかく書けます。
この感覚はどちらかというと毛筆に近いのではないかというくらいです。
書いていてとても特徴的でユニークなのですが、ここまで来ると万年筆を使い慣れていない人だと力を入れすぎてペン先が開いてしまい、書けないかもしれません。
むしろ、壊れてしまいます。。
よくネットで皆様が、「芯の折れないシャーペンでしか書けない人は使いこなせない」といっておられますが、真実だと思います。
つまり、それくらい繊細で玄人好みのペン先ですが、その分独創的で、他に替えが効かないペンです。
鉄ペンとは対照的ですね!
このフォルカン、私の手にしたものは「カスタム742」なので「10号ニブ」と呼ばれる小型の方になります。
もう一つ、上位モデルに15号ニブのフォルカンがありますが、調べてみたところ、どうやらこちらの方が使いやすいらしいですね。
比較したわけではないので、断言できませんが、742の方がよりソフトで癖があるようです。
私個人的には、スタンダードな万年筆はいくつか持っているので、このくらいのほうが面白くて、好きです。
まとめ
パイロットのカスタム74シリーズは、ここまで触れたようにかなりのペン先タイプがあります。
今回紹介したものはどちらかというと特殊、既に万年筆を持っていて、レパートリーを追加したい人に特におすすめするものになります。
初めの一本、かつそれがほぼ一生モノになるのがこのカスタムシリーズですが、これだけ選べるとどんな方にもマッチしてくれます。
まさに使う人への「カスタム」。。
いかにも万年筆で書いていますという、しなりをじっくり味わいたい方はこの「ソフト」はおすすめですね!
それよりももっと万年筆で遊びたい!という方はフォルカンやウェーバーといった特殊モデルもいい選択になると思います。
そしてこれを書きながら、なぜこんなに安かったのか?ということを考えてみましたが、先述の通り、パイロットさんでは2024年1月より高級筆記具の価格を変更し、値上げしておられます。
プラチナさんなどは1年以上前から値上げしていたので、よく頑張っていただいたというところなのですが、この度いよいよ実施されたようです。
高いものでは5万円のものが8万円になったり、大きく価格変更されたワケなのですが、この関係で旧型の在庫処分に踏み切られたのかなと思います。
たまたま見つけたのが12月31日の話だったので、完全売り切り処分にうまく出会えたということですね!
ラッキーでした。
先日の記事で書かせていただいたように、穴場というか、お買い得なものはたまにありますので、日頃から見ているとおもしろい発見がありますよ!
追記①
フォルカンを何気なく見ていて気づきました。
「ペン先が曲がっている・・?」
写真をみていただくと気づく方は気づかれると思いますが、私の手にしたフォルカン、どうやらペン先が下に向かって曲がっているようなのです。
書いてみてしっかり書けるため、「こんなものかな?」と思っておりましたが、ネット等で写真を見てもやはり少し変。。
パイロットさんでは基本修理費と必要に応じて部品代を負担することで修理に応じていただけます。
保証なし・箱なしの現品、ノークレーム・ノーリターンの破格で買っていたため、よく見るべきではありましたが、もしペン先交換まで行かずに修理してもらえるなら本体代と合わせても、新品で買うよりも安く済みます。
ということで、メーカーに修理依頼を送ってみました。
また結果は追記させていただきますが、どうなることでしょうか。
このフォルカンは展示品とはいえ、多分誰も書いていないと思います。
ということは、手にとって見てみて、少し押しただけで変形した、ということになります。
つまり、それくらい簡単に曲がるほど柔らかい、ペン先と言うことが痛感しました。
追記②
預けること約2週間、メーカーさんより返答がありました。
結論は・・「ペン先交換」だそうです。
さすがに曲がりすぎていて修理では対応できないということなんでしょうか・・。
なるほど、売れ残っていた理由が少しわかった気がしますね。。
アウトレット品なので仕方有りませんが。
結局、修理費を払ってしまうと定価とほぼ同等になってしまうため、今回はとりあえず修理せずに返却してもらうことにしました。
今後、もし気になるようであれば直すかもしれませんが、一度落ち着いて考えようと思います。
参考までに、残しておきます。
・ペン先交換費用…13,000円
・修理基本工賃…2,000円
・本体価格…1,000円
→本体・ペン先修理費用合計…17,600円(税込)
<参考> カスタム742
・(値上げ前)本体価格…22,000円
・(2024年1月現在)本体価格…26,400円
追記③
ここから書いていることはすべて自己責任の元、やったことになります。
もちろん保証も受けられなくなりますし、また根本から書けなくなる可能性もあるため、実施されるのであれば自己責任の元でよろしくお願いいたします。
メーカーより返却された後、せっかくのものをこのまま残すのもあれですので、「分解して自己修理」してみることにしました。
実施するにあたり、ペン先を外し、分解して、ペン先を伸ばす必要があります。
ネットで見ていると、ペン先をつまんで力技で引っ張ると抜けるということはわかりましたので、実施してみると本当に抜けました。
抜いたペン先を、手で少しずつ様子を見ながら伸ばしていき、修正していきます。
虫眼鏡を使いながらペン先がスリットでずれないように確認しつつ、デフォルトに近づくまで伸ばしていき・・
結果、修正しました。。
曲がっていた時に比べ、めっちゃ書き味が変わり、リアルに筆のような柔らかさになりました。
「そうか、これがフォルカン・・!!」
このように、素人ながらかなりのところまで修正できたとは思いますが、注意を払っていてもペンポイントが少しずれたのか、
×インクフローが異常に潤沢になりました(紙によってはにじむレベル)
書き味はかなりのところまで修正できたと思いますが、やはり素人修理は難しいですね・・。
当たり前ですが、プロに任せるのが一番です。。
とはいえ、このまままだ使い続けてますけどね。。
ということで、なかなかに楽しめた1000円でした♪
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