おおきにです、Hikkyです。
今回はいつものヨドバシカメラをうろついているとユニークな一品を見つけてしまい、衝動買いしてしまったので、その話をさせていただこうと思います。
つけペンタイプの万年筆
パイロットには、「色雫(いろしずく)という万年筆インクがあります。
色雫シリーズは「日本の美しい情景」をイメージしたインクで、とても情緒深い色合いをしたものが多く、個人的にもとても好きなシリーズです。
ド定番ではありますが、「月夜」という月の溶け込んだ夜をイメージしたブルーブラックと「松露」という松のような緑の深く美しいブルーブラックがとても好きで、初めて手を出した万年筆インクでもあります。
はじめは大きなインク瓶しかなかったこのシリーズも、小瓶のタイプが現れ、最近ではなんとカートリッジタイプまで発売され、ぐっと身近になりました。
そんな万年筆のインクですが、使っていると減るにつれて量が減ってきて、そのうち吸えなくなります。
そうなった場合、私は100均で買ってきたスポイトで吸って最後まで使うのですが、数年前近くの京都・みやこめっせで行われた「TAG文具祭り」というイベントがあり、そこでガラスペンを買ってからというもの、減ったインクはガラスペンにつけて使っていました。
(この文具祭り、いろんなメーカーの営業マンが直接説明してくれ、販売しているのでわかりやすく、毎年楽しみにしていたのですが最近のCウイルスの関係で中止されており、残念な限りです・・・)
そんな中、パイロットから発売された「つけペンタイプ万年筆」。
特徴
「つけペンタイプ」と話だけ聞くと漫画家の方が昔使っていた「Gペン」を思い浮かべる方も多いと思いますが、なんとこのペンには万年筆同様、「ペンポイント」※1がついています。
つまり、万年筆のペン先そのものがついているのである。
このペン先により、Gペンのようなガリガリ感はなく、紙へもスラスラかけて細かい文字やイラストも描きやすくなっているのであります。
また、インクも通常の万年筆であれば水で洗って乾かし、インクを充填して・・とすぐに違う色に換えるということはできませんが、この「いろうつし」であればペン先を拭き取るか、軽く水で洗うだけでちがう色を使うことができます。
万年筆の書き味やカラフルなインクを、気軽に楽しめるという点で今までありそうでなかった画期的な商品だと思います。
ガラスペンよりも安価で軽く、書き味もいいのでお子様にもおすすめですね!
(ただし、インク瓶の店頭やこぼしには注意してください)
対抗馬
ちなみに、このつけペンタイプ万年筆、実はこの「いろうつし」よりも前にセーラー万年筆から発売されています。
その名も 万年筆ペン先のつけペン、「hocoro(ホコロ)」です。
このhocoroは「いろうつし」と違い、ペン先を好感して太字・細字・カリグラフィーを切り替えたりしてその時の気分次第でいろいろな使え方ができることが特徴です。
しかしながら個人的には「いろうつし」よりも安っぽく見え、しかもペン先が二つ付いていることから価格も高く、「いろうつし」の方が高級感とコストパフォーマンスに優れた商品ではないかと思います。
ただし、「いろうつし」はペン先を収納する術がなく、ゴムのチューブを切ったようなものでカバーするだけですが、hocoroはペン先をボディに収納できるため、持ち運び・お子様の安全性という点ではhocoroが一歩譲ると思います。
それぞれに特徴があるので、比較してみるのもいいと思います♪
※1ペンポイント…万年筆に採用される先端(ペン先)のことで、ここの形で書きやすさが決まる。ここは耐摩耗性に優れた金属が使われており、使い続けることでその人の書き方にあうように削れていき、唯一無二の存在へと変わっていく。
実筆 ~Review~
今回、私は木目のいろうつしを購入しました。
木目とノーマル樹脂ボディ(いろんな色があります)と両方あり、ノーマルの透明ボディにも惹かれたのですが木の美しさに負けました(><)
この「いろうつし」には木目の軸が今回の白木目と黒木目の二つがあります。
今回私は白木目を選択しましたが、黒木目はそれで落ち着きと上品さがあり、ジェントルな方でも満足いただけると思います。
もちろんリアル「木」なので肌触りはたまりません。
変態のようになでまわしたくなります(爆)
さて、撫でまわすのはこれくらいにして・・
実際に書いてみました。
長所
書き味は完全に「万年筆」です。
パイロットの万年筆(鉄ペン)といえばエントリーモデルのカクノが代表として挙げられますが、なんとなくカクノよりも書きやすいような気がします。
ボディの軽さと握りやすさからでしょうか。
まるでGペンのようにインク瓶につけて書くのはなかなか新鮮で、インクの減った瓶でもしっかり使える上に、ティッシュで拭いてすぐに違うインクを使えたり、万年筆のようでありながら万年筆とは違う楽しみ方ができます。
気になるところ
そして続けていろいろ書いてみること少々。
上の画像のように、二文目を書き始めたくらいからインクがかすれ始め、このあたりになるとインクを付け直す必要が出てきました。
当たり前ではあり、セーラーメーカーHPにも書いてありますが、わりと頻繁にインクをつける必要があります。
インクをつけるときはインク瓶に毎回いれることになります。
残量の少ないインク瓶に入れる際は特にですが、ペンが汚れないように慎重にインク瓶に入れる必要があり、少々気を使います。
これらは「いろうつし」の気になる点というよりはつけペンならではの気になる点かと思います。
シメ
今回はつけペン万年筆を紹介しました。
いろいろと気になる点はありますが、しっかりと「万年筆」を堪能することができ、また好きなタイミングで好きな色のインクを使えることは大きなメリットだと思います。
きっとほとんどの万年筆好きの方の大いなる悩みである「インクを使いきれない」問題(インク沼にはまった人に多い)が少しでも解消できるのではないでしょうか。
しいて希望を言わせてもらうならばもっとインクと合わせて携帯性を高めていただき、ペンケースの中にはいろいろなインクとティッシュ(拭き取る用)、「いろうつし」が入っているという状況になることができればきっともっと面白くなると思います。
こんなユニークな商品をもっと世に出していただき、「手書き」の味をより楽しめていきたいな、と思いました。
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