おおきにです、Hikkyです。
あっという間に最終日です。
この記事も書き始めたときはまだ「年末」でしたが、気が付けば大晦日。
年がたつのは早いものです。
このサイトも早いもので一年が経過しました。
自分でも思っていた以上に見ていただいており、非常に感謝しかありません。
本当にありがとうございます!!
今年を締めくくるためにもまとめをしようかと思いましたが、まずはよりによって最後起こった衝撃的なことをお伝えさせていただきます。
この度、我が愛用の、というより最もお気に入りだった万年筆、「ペリカン スーベレーン」がお亡くなりになってしまったので、そのお話を書かせていただきたいと思います・・。
こんなこともあるのか、というくらいの軽い感じで聞いていただければと思います。
スーベレーンに起きた悲劇
毎年年末には私、一年の労をねぎらって、すべての万年筆たちを水洗いして、インクを入れ替えてやっております。
ある日、たまたま愛用のスーベレーンM300のインクがなくなったので、「他のものより少し早いけど掃除してやろう」といつも通り水洗いをしてやりました。
このスーベレーン、伝統ある万年筆らしく、インク吸入式なので、普通の万年筆のように吸入器を外して水で洗うということができず、基本的には真水を吸わせて吐いて・・を繰り返して洗います。
(もっと簡単な方法があるよ!とか間違ってるよ!という情報ありましたらぜひ教えて下さい!)
そしてきれいになり、一日乾かして、次のインクを吸入し、さぁきれいに拭き取ってやろう、とペン先を吹き始めたその瞬間、事件は起きました。
「コキッ」
「・・ん?」
変な音がして、拭き取りペーパーの中を見てみると・・
軸とペン先が離れているではありませんか!!
どういうことだぁ!?!?
どうやらペン先を拭いているときに変な力の加わり方をして、軸が折れてしまったようです(> <)
スーベレーンとの出会いと思い出
「一生モノとして、一本はいいものを奮発したい」
そう思って高級万年筆を探し始めたのが10年ほど前。
一本だけ持つなら、しっかり長く愛用できるものを探したいと思っていました。
高級万年筆といえば、まず思い浮かぶのが「モンブラン・マイスターシュテック」と「ペリカン・スーベレーン」の二大巨頭です。
当時、モンブラン・マイスターシュテックももちろん視野に入っていましたが、モンブランは確かに優れていますが、どちらかというとステータスとして所持している人が多いイメージがありました。
こと車においては、メルセデスベンツよりもBMWである私にとっては、同じ二大巨頭でもモンブランよりもペリカンの方が気になりました。
そうと決まれば、あとは探すだけです。
当時、選定した基準は以下の通りです。
・価格はマックス5万円前後
・万年筆らしい書き味求ム
・スーベレーン
・自分にあった書き味
・ジャケットの胸ポケットに刺せるサイズ
これを実現するべく、いろいろ調べた結果、スーベレーンの頂点、M1000に次ぐ柔らかいペン先を持っており、かつ上記の条件に合いそうなものということで、M300を対象に絞りました。
そしてたまたまインクを買いに訪れたナガサワ文具センターさんで出会うことになるワケです。
ナガサワさんで在庫されていたM300は全部で3本。
「個体差が大きいので、できれば試筆させていただいた方がいい」
と先人様たちの知恵を授かっていたので、その時ナガサワさんにその旨お願いしたところ、快く引き受けていただき、3本とも試筆させていただきました。
そして運命であるかのようにその内一本だけが自分にジャストミート!した、いい書き味でありました。
その場で即決したのがこのM300なのです。
これが私とM300の10年前の出会いです。
M300の書き心地等は過去の記事をぜひ読んでください!
実際の修理参照額は!?
「これはすぐに修理の見積もりを出してもらわなければ!!」
安いペンなら気になりませんが、なんせもう生産していない貴重なペン。
しかももともとが高級品なので、もう何度も買い替えることもできない、と大事に使ってきたシロモノであります。
自分で直すわけにもいかず、少し調べてみました。
その結果・・・
・軸が折れるのはたまにあること
・軸は要交換になる
・まぁまぁ高価な修理代
そうか・・。
私のM300は神戸の「ナガサワ文具店」で購入したものなので、そこまで持っていけないため、とりあえず近くのお店で修理にだしてくれそうなところを探し、伊勢丹京都に入っている伊東屋さんに持っていきました。
そして預けることになりました。
結局・・。
待つこと数日。
伊東屋さんから連絡がありました。
その結果は・・。
「生産終了品のため、国内に在庫がないため、ドイツ本国での修理対応になります。
修理費用は軸交換になるため、約15,000円~20,000円かかります」
とのことでした。
ドイツへの輸送費や見積もりに関する費用はなどはサービスしていただけることはとてもありがたかったですが、予想以上のいいお値段です。
結局、結論としましては修理をキャンセルし、返却していただきました。
正直、貴重な品であり、自分自身もとても気に入っている逸品ではありましたが、「その値段を出せばまた違う万年筆が買えること」「なんだかんだと貧乏性で高すぎたので日常使いできなかったこと」「ほぼ胸ポケットに刺しているだけだったこと」などから、今回は修理をするのではなく、「自身の思い出」として残すことに決めました。
キャンセルしてから数日、手元に帰ってきたM300は、徹底してきれいに清掃しなおし、接着剤で仮接合してからキャップをしめ、買ったときの箱にしまいました。
改めてみるととてもきれいな軸で、だれが見ても一目で「スーベレーン」とわかる、ブランドの逸品でした。
スーベレーン(優れたもの)の名の通り、ライティングということにおいて非常に優れたものであることは疑いようのない事実だと思います。
まさしく一生モノに相応しかったため、もう少し丁寧に扱うべきだったな、という自責の念はあるものの、いい思い出になりました。
また次の機会でもしかしたら他のスーベレーンを買うかもしれません・・?
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